大学4年生の秋、私は、就職活動の、最終局面で、大きな壁に、ぶつかっていました。グループディスカッションや、面接で、自分なりに、精一杯、意見を述べても、なぜか、面接官の反応は、芳しくない。自信を失い、思い悩んでいた私に、キャリアセンターの相談員が、ふと、こう言いました。「君は、とても良いことを、言っているのに、話している時、口元を隠す癖があるね。何か、コンプレックスでもあるの?」。その一言は、私の、心の、一番、触れられたくない部分を、鋭く、突き刺しました。そう、私には、長年のコンプレックスがありました。それは、コーヒーと、お茶が大好きだったせいで、いつの間にか、黄ばんでしまった、自分の「歯の色」です。人前で、歯を見せて笑うことに、無意識の、抵抗があり、話す時も、自然と、口元に手をやってしまう。その、自信のなさそうな態度が、私の、熱意や、知性を、面接官に、伝えきることを、妨げていたのです。「このままでは、いけない」。そう決意した私は、なけなしの、アルバイト代を握りしめ、歯科医院の、ホワイトニングのドアを、叩きました。私が選んだのは、即効性が期待できる、オフィスホワイトニングでした。歯茎を保護され、少し、ひんやりとしたジェルを塗られ、青い光を浴びる、約1時間。施術が終わり、手鏡を渡された瞬間、私は、自分の目を、疑いました。鏡の中にいたのは、これまで、見たことのない、白く、清潔な歯を持つ、別人のような自分。その変化は、単なる、歯の色の変化では、ありませんでした。私の心の中に、長年、澱のように、溜まっていた、コンプレックスが、その光と共に、浄化されていくような、感覚でした。翌週、私は、第一志望の企業の、最終面接に、臨みました。面接官の質問に、答える時、私は、もう、口元を隠しませんでした。むしろ、新しく手に入れた、この白い歯を、見せつけるように、はっきりと、そして、笑顔で、自分の言葉を、伝えました。その二週間後、私の元に、内定通知が、届きました。歯科ホワイトニングは、単に、私の歯を、白くしてくれただけでは、ありません。それは、私に、自分自身を、肯定し、堂々と、前を向くための、「自信」という、何物にも代えがえない、最強の「武器」を、与えてくれたのです。