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マウスピースホワイトニングとは?自宅で歯を白くする仕組み
マウスピースホワイトニングとは、歯科医師の指導のもと、主に自宅で、自分専用に作製されたマウスピース(マウストレー)を使って歯を白くしていく、専門的な歯科治療の一種です。一般的には「ホームホワイトニング」という名称で知られており、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と並ぶ、代表的なホワイトニング方法です。その基本的な仕組みは、まず歯科医院で自分の歯型を精密に採り、歯にぴったりとフィットするオーダーメイドのマウストレーを作製します。そして、歯科医師から処方された、比較的低濃度のホワイトニング剤(過酸化尿素を主成分とするジェル)を、自宅でそのマウストレーの内側に注入し、毎日、決められた時間(通常は1日2時間程度)、歯に装着します。このプロセスを2週間から1ヶ月ほど毎日続けることで、薬剤がゆっくりと歯の内部に浸透し、黄ばみの原因である色素を内側から分解・漂白していくのです。オフィスホワイトニングが、高濃度の薬剤と特殊な光を使って、1回の来院で一気に歯を白くする「即効性」を重視するのに対し、マウスピースホワイトニングは、低濃度の薬剤を長時間かけてじっくり作用させることで、「効果の持続性」と「透明感のある自然な白さ」を追求する方法です。自分の好きな時間に、リラックスしながら行える手軽さから、忙しい現代人にとって非常に人気の高い選択肢となっています。ただし、これはエステサロンなどで行われるセルフホワイトニングとは全くの別物であり、医療用の薬剤を使用する、れっきとした「医療行為」です。安全で確実な効果を得るためには、必ず歯科医師による適切な診断と指導が必要不可欠となります。
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デメリットと注意点、痛み・時間・食事制限との付き合い方
多くのメリットを持つマウスピースホワイトニング(ホームホワイトニング)ですが、その一方で、治療を始める前に、必ず理解しておくべき、いくつかのデメリットや、注意点も存在します。これらの現実的な側面と、上手に付き合っていくことが、治療を成功させるための鍵となります。まず、最大のデメリットは、「効果を実感できるまでに、時間がかかる」ことです。オフィスホワイトニングが、1日で劇的な変化をもたらすのに対し、ホームホワイトニングは、毎日コツコツと続けて、ようやく2週間ほど経った頃から、徐々に白さを実感し始めるといった、緩やかなプロセスをたどります。そのため、「すぐに白くなりたい」という方には、向いていません。毎日の装着を、忘れずに続けるための、強い意志と、根気が必要となります。次に、「知覚過敏(歯がしみる痛み)」のリスクです。オフィスホワイトニングに比べて、その頻度や程度は低いとされていますが、薬剤が歯の神経を刺激するため、人によっては、冷たいものがしみたり、ズキッとした痛みを感じたりすることがあります。もし、痛みを感じた場合は、我慢せずに、一度、使用を中断したり、装着時間を短くしたり、あるいは、1日おきに行うなど、頻度を調整する必要があります。それでも痛みが続く場合は、必ず、処方してくれた歯科医師に相談してください。知覚過敏抑制成分が含まれた歯磨き粉の使用を、勧められることもあります。そして、ホワイトニング期間中の「食事制限」も、重要な注意点です。ホワイトニング中の歯は、表面を保護しているペリクルという膜が、一時的に、剥がれやすくなっており、外部からの色素を、吸収しやすい状態になっています。そのため、治療期間中は、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、醤油、ソースといった、色の濃い「着色性食品」の摂取を、できるだけ控えなければ、十分な効果が得られない可能性があります。最後に、「自己管理の手間」です。毎回のマウストレーの洗浄や、薬剤の適切な保管など、自分自身で、衛生管理を、きちんと行う必要があります。